嬬恋村では、令和2年3月に策定した「子ども・子育て未来2024 第2期嬬恋村子ども・子育て支援事業計画」における基本理念を
『地域で応援 親子が豊かに暮らせるむらづくり』
と掲げ、「親子の豊かな暮らし」を「地域全体で応援する」という視点で、子育て環境の充実を目指しています。
子どもにとっての「遊び」は全てが学びであり、これを通じて「からだ」、「こころ」や「社会性」といった、生きていくための力を身に付けていきます。
子どもの基本的人権を国際的に保障する条約においても、子どもが遊ぶ権利を保証する条文が盛り込まれています。
しかし最近は、この子どもたちにとって貴重な学びと育ちの機会となる「遊び」が失われてきていると言われています。それにより、からだの面だけでなく、こころや他者との関わりででてくる社会性に課題を抱えている子どもが増加しています。
子どもの育ちの歴史的変化
2007年に、ある地方都市の公立保育所の3歳〜5歳児の基本的な運動動作(走る、跳ぶ、投げるなど7項目)を記録し、1985年の同様の記録と比較・評価しました。
その結果、2007年の5歳児の基本的な運動動作は、25年ほど前の3歳児とほぼ同じレベルであることがわかったのです。
生涯のうちで最も動作の習得に適した時期である幼児期に、運動能力が十分に伸ばせていない背景には、遊びの質と量の低下があると中村先生は考えています。
資料元:山梨大学中村和彦教授研究データより
○調査対象:
2007年:地方都市 A の郊外に位置する公立保育所に所属する3−5歳児154人
1985年:地方都市 B の郊外に位置する公立保育所の3−5歳児123人
○評価方法:
走る、跳ぶなどの7項目について1-5点までの5段階の評価を行い、得点を比較
嬬恋村では、「遊びが学び」という言葉に、子育ての大切なメッセージをこめました。
子どもたちの遊びの機会を保証し増やしていくことで、子どもたちの潜在能力を引き出し、体力・運動能力の向上だけでなく、自分で考えたり、工夫する力を高めたり、自分らしく生きるための力を持ったり、粘り強く仲間と協力して取り組む力を持った子どもたちを育てていくことにつながります。
私たち大人が子どもの発育発達に寄り添い関わることで、子どもが「体を動かして遊ぶことが好き」になり、また未来を創る子どもが幸せを感じながら「遊び」を通じて健やかに育まれる環境を提供できるよう村全体で取組みます。
あそびが学び~なかむら METHODの考え方~
遊学(あそびが学び)-なかむらmethodとは、自ら考え、仲間と協力する子どもを育てることを目指します。国の2020年の教育改革は、小学校からではなく、幼児期も含まれており、社会の急速な変化は、主体的に問題を解決していく力を幼児期から育むことを求めています。
「遊びが学び」をテーマに作られている”なかむらmethod”は、山梨大学の中村和彦教授が提唱している概念です。幼少期に身につけたい36の基本動作をベースに、子どもの発育段階を踏まえながら、遊びという学びを通して潜在能力を引き出します。
それにより体力・運動能力の向上だけではなく、自分で考えたり、工夫したりする力や、相手を思いやる力を高めます。生きる力の土台となる、自ら考え、仲間と協力する子どもを育てることを目指します。
「はしる」や「なげる」などの人間の基本的な36種類の動きは、幼児期・学童期に身につけることが望ましいとされていますが、現代社会において体を動かす時間が減少した事で、充分にそれらの動きを身に付けずに成長する子どもが増加傾向にあります。
子どもたちの健やかな成長のために、運動遊びの実践と客観的なデータによる評価が今後ますます重要になってきます。
遊びの伝道師「プレイリーダー」
プレイリーダーは遊びの先輩!
こどもたちの主体性を大事にしながら自分流に楽しめる遊びを見つけて展開していけるようなお手伝いをします。
プレイリーダーのゴールは、プレイリーダーがいなくても、こども達が自分たちで遊びを展開していけるようになることです。
そのためには・・・
指導者対こども、先生対こどもの関係で成り立つものとは基本的関わり方が異なり、こども達の自発的行動が肝となります。
大人の関わり方
- 36の基本動作に着目する
- 子ども自身の小さな挑戦、小さな成功を共感する
- 子どもの「やりたい」「挑戦したい」という気持ちを育む
- 子ども目線で安心して楽しく遊びを展開する
指導ではなく、子どもの活動を見守り、共に考え、子どもの考えを導く助けとなるように関わる役割。
「子ども目線」「子どものペース」を大切にしながら遊びを通じて子どもたちの「生きる力」を育み未来に続くまちの根っこをみんなで一緒に育てていける村にしていきましょう。